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第32回ベクトルセミナー「役職員がパワハラ…?さあ、どうする?」 開催しました! - 2019.02.12(火)

講師:一般社団法人ベクトル専門家
橘 功記 弁護士(たちばな法律事務所 代表)
 
1月28日(月)18時から恵庭商工会議所 税務研修室にて開催し、13名の受講者にきていただきました。
 
今回はよくニュースにも取り上げられるセクハラ・パワハラについて、ベクトル専門家の橘功記弁護士に詳しく解説していただきました。
 
まずここ最近騒がせているセクハラやパワハラの事例としてNHKアナウンサーの新人女性キャスターに対するセクハラや財務次官の記者に対するセクハラ、国会議員の秘書に対するパワハラ等数例挙げ、メディアで何度も見たり聞いたりした記憶に新しいものを専門家の見解も交え丁寧に説明していただきました。
 
行政上の責任としてセクハラにおいては男女雇用機会均等法第11条で雇用主の防止のための措置義務が明記されています。もし違反した場合、厚生労働大臣に報告を求められ指導もしくは勧告されます。是正勧告に応じない場合は企業名を公表されダメージを受けます。また更なるリクスとして損害賠償責任があり、労働災害の認定になる場合(被害者がダメージを受け過ぎ、仕事に来てくれないけれど解雇できない、ダメージによる疾患が完治するまで賃金を払い続けなければいけない)があり注意が必要と述べていました。
 
一般に事業主が負担する賠償責任は…
①不法行為責任…ある者が他人の権利ないし利益を違法に侵害する行為。また、その場合に加害者に対して被害者の損害を賠償すべき債務を負わせる法制度である
ア.使用者責任…従業員がパワハラ・セクハラしたら会社も賠償責任負う
イ.一般不法行為責任…原則として故意または過失によって他人の権利・利益を侵害した場合にその損害賠償義務を負う(民法第709条)。
②債務不履行責任…安全配慮義務(職場環境調整)
 
労働者から損害賠償が認められるとしてどのくらいの金額になるのか?
逸失利益は労働者が就労不能期間の給与相当額、ケースバイケースだが3か月から6か月程度が多いそうです。そして慰謝料(軽いもので50~100万)と弁護士費用(損害額の一割程度)が加算されます。
重大(深刻)な事案ならもっと金額が膨らみ、会社全体のダメージは計り知れない現実に驚かれた受講者も多かったのではないでしょうか。
 
ハラスメントの定義とは
①セクシュアルハラスメント(セクハラ)
男女雇用機会均等法 第11条に明記。分類すると対価型と環境型があり対価型は性的な言動に対する労働者の対応により当該労働者がその労働条件に不利益を受けるもので環境型は性的な言動により労働者の就業環境が害されるもので具体的な数例を挙げていただきました。被害者がセクハラだと思えばセクハラに該当するのが現実のようです。
 
②パワーハラスメント(パワハラ)
まだ法律では定義規定は存在しないが定義づけしようと厚生労働省内の「労働政策審議会雇用環境・均等分科会」で議論されています。上司から部下だけでなく同僚や部下から、業務上の指導との線引き等を焦点になっているようです。
 
ハラスメントが起こる前の防止対策として事業主が講ずべき措置はというと第一に方針等の明確化とその周知・啓発と相談・苦情に応じ適切に対応するために必要な体制の整備が挙げられます。
 
今まで説明した措置を講じていたにもかかわらずハラスメントが起きてしまった場合の対応についてもわかりやすく解説していただきました。
最初に事実関係の確認をし、そして事実の評価、この2つで判断します。経験豊富な橘弁護士でもこの2つは困難で、事実認定はかなり難しく証拠となる音声データがあるような場合を除き、関係者の事情聴取しか術はなく、被害者からの一方的な内容だけでは判断せず、他の関係者にも聴取し事実かどうか客観的に考えることが大事であると語気を強めていました。早期解決に向けた迅速な結論が望ましいが拙速な解決にならないよう注意が必要ともおっしゃっていました。
 
以上のことを考えるとハラスメント認定に困難が伴うため大企業では弁護士ら専門家による「第三者委員会」を設置するのが一般的で中小企業でも問題発生時には専門家による「第三者委員会」を設置せざるを得ないので対策が必要。
 
最後に各種ハラスメントは事前防止策と事後対応策の両方とも重要で、もし起こってしまった場合は再発防止に努めることが最も重要であるとまとめていただきました。受講者の皆さんは早急に対策を検討しなくてはと考えさせられる内容だったと思います。
 
質疑応答も盛んに行われハラスメント対策セミナーの関心度の高さがうかがえました。