川合のこだわり経営実務
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◇ 従業員の意識改革が行われているか
<教育によって、従業員に自信を持たせる>
当たり前のことですが、小さい企業ほどひとりひとりの従業員の気持ちや能力が、経営を左右します。ところが、そのような企業ほど、社員が漠然としたコンプレックスを持ったり、相手に対して位負けすることが多いようです。そのため商売でも、ついついべッグセールス(お願いします、頼みますと三拝九拝する商売)を行いがちなのですが、この状態を克服・脱皮するためには、従業員に自信を持たせる教育が必要です。「自信を持たせる」とは、他の企業とちがう特徴や、商品・技術・サービスの異なる点を、まず従業員に認識させることなのです。それには、自分の会社は何で勝負しようとしているのかを徹底させ、従業員ひとつひとつの仕事に沿ってそれを教えることです。
<情報を従業員に発信すれば、人は育つ>
元気な中小企業に共通するのは、社長が実に教育上手であり、褒め上手だということです。まず、どういうところ・どういうもので善戦し、顧客に支持されているかをタイミングよく従業員に話しています。情報を発信することは、対内、対外を問わず、経営にとってきわめて重要な戦略ですが、特に内部に対する情報発信こそ、必須なのです。
次に、成果をあげた従業員を社長がタイムリーに褒めています。褒められるということは、人間いくつになっても嬉しいものであり、従業員を勇気づけ、成長させます。
そして、こうした成功体験が次の成功をもたらすのです。仕事の達成感、成功感を味わった従業員は、自信を持ちどんどん成長します。達成感をもった従業員が多いほど、企業も強く意欲的な組織として成長していくのは当然なのです。
<達成感によって、人は成長する>
したがって、経営者はどのようにしたらひとりでも多くの従業員が仕事の達成感を味わえるか、という点に力を注がなければなりません。褒め上手な経営者は、この部分がわかっているので、仕事の与え方や目標設定のしかたも上手です。
いきなりハードルが高く困難な仕事や目標を与えて尻をたたき、未達成を叱っても、従業員は意気消沈するだけです。物事は簡単なものから複雑なものへ、やさしいものからむずかしいものへと進むのが原則です。できないことばかり体験していると、いつの間にか戦わずして負ける従業員ができあがってしまうのです。
褒め上手な人はそれがわかっているからこそ自己抑制をし、部下に与える目標も比較的簡単なものからむずかしいものへと、ステップバイステップで与えています。
これは機会を見ながら達成のための支援をしていることにもなります。
【専門家紹介】
川合 雅之
事業再生士 、1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / (株)FPプロジェクトワン
株式会社FPプロジェクトワンは、昨今の総合的なコンサルティング(ワンストップサービス)ニーズの高まりに応えるため、平成19年1月主な業務として、新規創業・起業支援、事業再生・改善計画書の策定支援、資金繰り支援、相続・事業継承支援(M&A含む)などの“総合コンサル会社”として設立しました。