川合のこだわり経営実務
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◇「自分で考え・決める」習慣を身につけよ!
-思考力の欠如が幹部の意識を低くする-
<幹部には「自分で考え・決める」習慣を身に付けさせることが重要である>
幹部には「経営者意識」がないとよく言われるが、なぜか。
第一に幹部は「社長」ではないからである。
副社長、専務、常務といえども、まだ上に頼る人がいる。
社長には頼る人がいない。そして、最後は一人で決めなければならない。
この必死さが幹部には欠如していると言われている。
第二に、幹部には社長と同等の重い責任を負っているとの自覚がないからである。
責任が軽ければ、意識も軽くなる。
第三に、常に思考力を磨いていないからである。意識は思考によって鮮明になり、強化される。
意識は思考の中核であり、考える力のない人は経営者意識と縁遠い人である。
とりわけこの「思考力の欠如」が幹部の意識を低いレベルのままにしている最大の原因といえる。
<幹部には「自分で考え・決める」習慣を身に付けさせることが重要である>
日頃から自分で考え、自分で決めるのが当たり前になっていればいいが、会社は社長が有能であればあるほど、幹部は思考力を失う傾向にある。社長が何でも考え、何でも決める。幹部は言われたことを実行するだけになっている。
幹部も若いころは「自分の考えを言った」が、社長はその未熟な提案を一蹴した。
時には笑った。
それから年月がたち、上級職の幹部になったが、今は自分で考えない習慣、自分で決めない習慣が完全に身についてしまっている。
この幹部に「危機感を持て」「経営者意識を持て」と言っても、石の地蔵さんである。
会社によっては全幹部が思考力のない石の地蔵になってしまっているところもある。
「一切任せる」と重い責任を持たせようものなら、幹部は次々に討ち死にし、会社は混乱し、結局、尻ぬぐいするのは社長である。
<幹部社員には必要不可欠な要件>
幹部は考える習慣、自分で決める習慣を復活させることから取り組まなくてはならない。
これをクリアしなければ社長が期待する幹部になることは永遠にない。
苦労して自分で考え、自分で決める習慣を身につける。
その力は文章に現れてくる。
会議での意見や、社長に進言する態度にも現れてくるものだと思われる。
幹部に「自分で考え・決める」習慣を身に付けさせることが、良い会社作りの早道となるでしょう。
【専門家紹介】
川合 雅之
事業再生士 、1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / (株)FPプロジェクトワン
株式会社FPプロジェクトワンは、昨今の総合的なコンサルティング(ワンストップサービス)ニーズの高まりに応えるため、平成19年1月主な業務として、新規創業・起業支援、事業再生・改善計画書の策定支援、資金繰り支援、相続・事業継承支援(M&A含む)などの“総合コンサル会社”として設立しました。